滅亡のための前奏曲〜第六幕〜






聖徳の王国、HKVが徳の神殿めぐりをするという情報を入手したFoA。
それと同時に、普段は人里離れたところに住む双子の巫女が同じ時期に神殿めぐりをするという情報を入手した。


HKV。そして巫女たち。どちらも、FoAにとって目の上のタンコブである。
両者は今まで交わることはなかったが、同じ時期の神殿めぐり・・・・・


上層部が何かを感じとるのは当然のことである。しかし、HKVはともかく、巫女たちはこちらの存在を
感知してはいない。またたった女二人。われらが動くほどのものではなくいと判断した。そして・・・
そういう場合にこそ、役にたつ道具があるのである。





姉御ラブ山賊団。略称をアネゴマニアックスAMXという山賊団。
山賊をしきる姉御はもちろんのこと。バシネットに美貌をかくすその妹も、男たちもみな、
赤目をしていた。最近、山賊団に加入した少女たちはまだ青いものの、近いうちに赤目になることは
間違いはなかった。






「この世の財宝といい男はあたしのものさっ」

そう嘯く姉御の心配事といえば、妹のこと。
かって顔に火傷をおい・・・今は綺麗に直ったというのに、妹はそれを気にしてか
バシネットに素顔を隠す。
炎をみていまだにひどく怯え・・・怯えたあげくに、どこか精神のタガがゆるんでしまうのだ。





そんな中。昔、妹が顔におった火傷を治してくれたある医師から、
神殿をめぐって旅をするある女性たちの抹殺の依頼をうけた。
双子の巫女とのことだが、そんなことは姉御には関係ない。
めったに依頼をうけない主義の姉御ではあるが、恩人からの依頼を引き受け・・・
数人をアジトに残し、手練をひきいて巫女たちを抹殺すべくに向かった。



女二人だけの旅、とはきいていたがいつのまにか巫女たちは
旅の騎士を護衛にやとっていたらしい。

育ちのよさそうな騎士たちであったが、いくら剣の腕がよかろうと、
実戦の経験はまだ浅そうであり、山賊団特製の爆弾の前に、彼らは気絶する。





巫女を追い詰め、その手にかけようとしたとき・・・現れた騎士の一団に、
山賊どもは舌打ちをする。

HKV・・・徳の騎士たち。
依頼主から気をつけるよう言われていた騎士団たちが、よりによってこんなところで
かちあってしまったのである。


妹だけを残して、姉の方を人質にとってこの場を逃げようとした山賊団であったが、
己の身を顧みず、逃げ出す姉。それをおう山賊団と、守ろうとする騎士たちの乱戦になる。


姉御はとりあえず、体制を立て直そうとアジトへと戻るが、
そこに今回雇った流浪の魔術師が姉の方は殺害したとの朗報をよこしたのであった。


残る巫女は一人。しかし、その巫女はHKVの騎士団に合流してしまったらしい。

『もし・・・そうですね、HKVの騎士団も一緒に始末してくださったら
ボーナス報酬もつけますよ・・・・・(闇笑・・・・・』


巫女の始末の際に、依頼主がそうつけくわえていたことを思い出した姉御は
騎士たちをアジトにおびきよせること策をもちいることにした。



数日前に、トリンシックの守備隊を襲った際に、捕虜として捕まえていた衛兵がいた。
そう、その衛兵を使うときである。


タンスに閉じ込めていた衛兵をひっぱりだすと、彼は山賊に怖気づいた様子もなく
彼らを説得しようと綺麗事をくちにする。




かれの装備を奪い、魂ともいえる武器も奪うが、彼はそれでも言葉を重ねる。


「親父はただ、死体があったから覗いてみただけなのに、ガードに殺されたんだ!」


山賊団の一人が憎しみに満ちた声をあげる。


「下層民の出か・・・・・」

哀れみにみちたその声に、姉御は嫌悪感に表情を固くした。


「あたしたちの両親は、凶作の年に・・・年貢の税率を下げて欲しいと訴えにいったら
騎士たちに殺された。住む家も騎士たちの命令によって衛兵が焼き払った。
騎士なんて最低だね!」


そのときの憎しみをおもいだしたのか、妹は衛兵に毒魔法を叩き込む。


「・・・そういう種類の人間がいるのも事実だ・・しかし・・・」


「うるさいっ!」


できることなら、このまま殺してしまいたかったが、それでは意味がない。

死なない程度に拷問をくわえるなか、おびきだされた騎士たちが、姿をあらわした。


「開門!」


守備隊に変装した仲間が騎士たちをつれてきたのだ。
しかし・・・・・・


本来ならトラップを用意していた入り口ではなく、仲間は違う入り口へ騎士を連れてきてしまったのだ。
何分、急いでいたために、十分な指示ができなかったことにあり、姉御は
あせる心を抑えながら姉御は指示をあたえる。


「私に話をさせてくれ!!彼らを説得する!!」


そういう衛兵の言葉を本来なら聞き入れる気はなかったが、今となっては
油断を誘う手段になる。


そして衛兵を表にたたせたが・・・・その衛兵はしばらく騎士相手に言葉を重ねていたが
やがて目くばせをするとこう叫んだ。


「今だ!!!」


(やはり・・・・あいつらは、必ず、裏切る種類の人間なんだね・・・)


綺麗事を並べていながら、信じろといいながら、それは方便で、
結局は彼らを抹殺しようとする。
衛兵の言葉を信じていたわけではないが、いまさらながらに実感をして姉御は唇の端をゆがめた。


「やっちまいな!」


突入してくる騎士たちに、石壁をだして足をとめたが、わずかな隙をついて、
侵入をしてきた。


爆弾を投げ、弓をはなち、魔法を打ち込む。
しかし・・・さきほどの巫女たちについていた騎士たちとはちがい、相手は歴戦の勇者。
そのうえ、さきほど沈めた騎士たちは、名誉挽回とばかりにつっこんでくる。


仲間たちが、沈んでいくのを横目に、姉御も灰色の世界へと旅立っていった。




(・・・まぁ、いいさ。いつものことだ。それに姉の方はしとめた。報酬の割増と後金はもらえないが
前金は返さなくていいからね・・・・・)



カノモノの胎動をカンジル・・
今マサに永遠の闇で覆われんとするソーサリアの星宿に
ただ一つ残った微星。
我と、我が信徒と、そして我が望む世界に仇なすモノ。
ドラゾンと対をなす大いなる力の象徴。
夜明けが来た事を告げる足音、ルナの曙光。
忌まわしきモノ。

・・・その名、ディバインドラゴン。


an orcish noble  






集結したFoA



男爵さまの命により、集結したFoA。
HKVの騎士たちとともに、なにかがあると告げられる。
気をひきしめて、騎士たちがめぐっている神殿へと足を運ぶ。


「夜はわが友・・・・・・」
騎士たちの前に姿をあらわし、FoA信徒長、グラン隊長が高らかに声をあげる。



続いて声をあげる信徒とりきち。




いつもよりも殺気だったFoAの姿に、アーサー王は眉をしかめる。

そのとき。騎士たちの後に見える聖竜の姿に、男爵は忌々しげに舌打ちした。

そう、それこそは聖竜ディバインドラゴン。
我らのドラゴンゾンビと対をなし、我らの神に仇なすもの。
これの復活を防ぐために、巫女の殺害を山賊に依頼したのだ。
どうやら、不遇の死を遂げた姉巫女の魂が、ディバインドラゴンを復活させたようだった。


しかし・・・創造と破壊は表裏一体。
それを考えれば、この時期に復活ということは我らの望みがかなう日が近いということ。


そう呟く男爵さまに、騎士の後にいた小汚い格好をした男が笑い声をあげる。



ToWの賢者、グランドグレイである



男爵は賢者を冷ややかに見つめながら、我らの望みの時が近いことを告げる。


そう。このIZUMOの地の破滅の日が近いこと・・・・・
われらは破滅と再生を望む。




宝珠が砕け、いくつにも別れたシャード。ソーサリアン。
それらは不完全な世界であり、不完全ゆえに、貧困も争いもおこるのだ。


それらを破壊し、あらたに一つにしたグランソーサリアンの世界こそ、FoAが望む
破壊と再生なのである。


そうして戦いの火蓋はきっておとされた。
ディバインドラゴンとドラゴンゾンビが戦い、騎士たちと我らの刃が交わされ、魔法の詠唱が飛び交う。


グラン隊長が、HKVのジャンヌダルクと一騎討ちを交わすが、勝負はつかず・・・・




ドラゴンゾンビが損傷してしまうが、ToWの賢者を捕虜にして、一旦、引き返す。


捕虜となった賢者



ドラゴンゾンビの損傷を手早く回復するためにも・・・・また、我らの神への供物という意味で
賢者を生贄に捧げることとする。


幹部候補のアシュラム先生に、ライバル宣言をしたというグランドグレイ。
生きていられては、目障りな存在でもある。


火口に投げ込もうとしたそのとき。どこからか我らの行方に目をひからせていた
HKVの騎士たちがあらわれた。






再び、刃が交わされるが、グラン隊長の指揮のもと、HKVの騎士たちは次々に沈んでいく。

しかし・・・たった一人・・・・HKVの騎士たちと同行していた魔術師のランド老だけが
我らの猛攻をかいくぐっていた。


敗北に歯噛みする騎士たちをよそに、賢者を生贄にささげようにも
ランド老が魔法を打ち込んでは離脱し、また打ち込んでは離脱すると邪魔をする。


こうなってはしょうがないと、再び一騎討ちの場がもうけられることになった。
ランド老の相手を誰がするか・・・FoAの信徒たちのあいだで緊張がはしる。


伝説の神の手によるAFの盾を装備したランド老。
いあわせた騎士たちが、すべて沈んだ後でも、我らの猛攻をふりきるばかりか、返り討ちにした魔術師である。


本来なら魔術師がその相手をすべきであろうが、大事な魔術師をこのような場で
失うわけにはいかないし、何よりもさきほどの戦いで、秘薬がこころもとなくなっている。
グラン隊長はこの場の指揮をとっているため、一騎討ちに名乗りをあげるわけにもいかず、
ハチマンさまは大事な身であり、また騎士ではないものと刃を交わすことに抵抗があるだろう。


「グラン隊長・・・・・・」


緊迫した空気にとりきちが名乗りをあげた。


さきほどの集団戦では、ランド老に返り討ちにあったとりきち。
力量的にいえば、負けはみえているようなものである。

しかし・・・ここで負けたとて、補充のきく下っ端。
負けて死んだところでFoAの威信を傷つけるものではない。
また、その手には先日、大公を相手にしたときの、男爵よりの下賜品である
業物のブッチャーナイフが握り締められている。


賢者は生贄にささげようにも、自らの命を生贄にならないように絶とうとし・・・
このまま生贄にしても、巫女の姉のような魂の力とやらでやっかいなことをしでかすかもしれない。


そして一騎うちがおこなわれた。


魔術師VS戦士の戦い。
魔術師の詠唱がきまれば、とりきちなど一瞬で沈んでしまうだろう。
それゆえに、とりきちがとれる策はただ一つ、詠唱妨害しかない。


毒を叩き込み、ひたすら詠唱を唱えさせぬようにナイフをくりだす。


逃げる魔術師を追い込み、魔術師がとりきちを避けるように人垣の中へとつっこんだ。
それを回り込んで、再度叩こうとするが、魔術師はグレートヒールで自らの身を癒す。


(はやいっ!)


本来ならば詠唱を遮れるはずが、魔術師の詠唱のほうが早かった。


そして叩き込まれる魔法・・・・・・


とりきちはあっというまに意識をうしなった・・・・・・


「終わってみれば圧勝だったな」


灰色の世界の中で、ジャンヌダルクという騎士が呟いた声に、とりきちは相手には見えないとおもいつつも
殺意にこもった視線を彼女にむける。


(くっ・・あそこに人垣さえなければっ・・・・。あたしらの前に、負けた騎士が知った口をきいて!)


しかし、一瞬のうちに、ランド老の魔法の前に倒れたのは事実である。
負けるにしても、もうすこし時間をかせぎたかった・・・
もう少し、ねばりたかったところであるが、確かにとりきちは老魔術師、自らをおいぼれと呼ぶ彼の前に
倒れたのだから・・・・
そして目の前の騎士は隊長を倒せはしなかったが、隊長に倒されもしなかったのだ。
もし、ランド老でなく、この騎士と一騎討ちしてもとりきちが勝てるとは限らないのである。


そう・・・ランド老にしてみれば、とりきちなど、赤子に等しいもの。
だというのに、見くびらずに相手をつとめた。
FoAの信徒たちは誰もが優れた魔術師に敬意を抱いたことはいうまでもない。


そして・・・信徒たちが賢者を解放して戻ると、ドラゴンゾンビを癒していた男爵が
いきさつをグラン隊長よりきいたあとに、重々しい表情をうかべた。

我らの望み・・・・破壊と再生の日は近い。
しかし、騎士たちも、我らに抵抗し、仇なす聖竜は生きている。





そう強い声をあげる男爵に、信徒たちは強く賛同するのであった。




オ・マ・ケ



早朝のムーングローで、動物をひきつれて歩いていた牧羊&乞食の人が
その場にいあわせた女性に絡みだした。





クレアと名乗る女性・・・・見るからに貧しそうなその女性に対し、
その服をよこせといっているのである。


女性の服は着ているものしかなく・・・渡してしまっては、裸になってしまう。
また女性にとっては大事な服なのだ。





通りすがりの人が小金をあたえると、牧羊の人は姿を消した。


突然の屈辱に身を震わせる女性。
どうやら貧しくて家族たちと共に飢えているらしい。




そんな女性に、仕事を持ちかける隊長。
女性は一もニもなく、仕事を引き受けることを約束する。
そうしてペットの犬とともに去っていった。




その場にいあわせた某混沌の騎士団に所属する侍、伊藤一刀斎。
女性に諭すも聞き入れられるわけがなく、我らの邪魔をしようとするが・・・・


そんなことをすれば、どうなるかは保障できないことを、告げる我らがいた。


そう・・・FoAの信徒、支援者はブリタニア中に存在しているのです。
脅しだと思うのであれば、実行してみればいい。
ただ、そのあとにはどうなるかはわからない・・・と告げるFoAの面々。
どこにいても、我らの目から逃れることはできないのです・・・・


この話は、いつかまたどこかに続く・・・・・・・(はず)




















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